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[ 科学技術・大学 ]
(2017/8/29 05:00)
北海道大学低温科学研究所の宮﨑雄三助教らは、秋に森林内の地表の土壌や落ち葉が大気へ放出する有機物が、雲の生成を抑える可能性があると明らかにした。地球温暖化のシミュレーションにつながる可能性がある。成果は英電子版科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
研究グループは、北大苫小牧研究林(北海道苫小牧市)にある観測タワーで、雲の生成などに関わる大気中の「浮遊微粒子」(エアロゾル)を収集。エアロゾルの組成を測定したところ、雲粒を生成する能力(雲粒生成能力)は夏に最大、秋に最小となることを突き止めた。
またエアロゾルの成分のうち、雲の生成を促進する「硫酸塩」に比べ、「有機物」の割合が大きくなる方が、雲粒生成能力が小さくなることも分かった。
森林内の土壌や落ち葉などが放出する有機物がエアロゾルとなり、雲の生成能力を抑制している可能性があるという。
エアロゾルは太陽の光を効果的に散乱・吸収するなど、地球温暖化を抑える役割を果たす。だが、その起源などははっきり分かっていなかった。
(2017/8/29 05:00)
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