[ 政治・経済 ]
(2017/9/9 05:00)
厚生労働省は8日、厚労相の諮問機関である労働政策審議会に罰則付きの残業上限規制や非正規労働者の待遇改善を図る「同一労働同一賃金」の導入などを柱とする労働基準法改正を含む「働き方改革関連法案」の法案要綱を諮問した。2019年4月の施行を目指し、今月下旬に召集される臨時国会に法案を提出する。
連合が「残業代ゼロ法案」と導入に強く反対している高収入の専門職を労働時間規制から外す高度プロフェッショナル(高プロ)制度と裁量労働の拡大については、神津里季生連合会長が安倍晋三首相に要請した「年間104日以上の休日の義務化」や勤務間インターバルの導入など修正内容を全て反映させた。しかし連合や野党が反対する残業上限規制の労働基準法での一本化は撤回せず、国会審議での難航は必至だ。
同法案をめぐっては7月に連合の神津会長が安倍首相と会談。一部修正を条件に政労使合意受け入れを表明していた連合だが、傘下労組の反発で7月末に札幌市で開かれた臨時中央執行委員会で一転して容認を撤回した。
連合は労政審の場で法案の一本化に反対したが、「労働側の要求は盛り込んだ」(厚労省)として押し切った。
同一労働同一賃金については、非正規社員の基本給や賞与などについて正規社員との不合理な格差をつけることを禁じるが、中小企業については派遣労働者を除き適用を1年遅らせる。
(2017/9/9 05:00)