[ オピニオン ]
(2017/9/18 05:00)
ユニークな研究を表彰する「イグ・ノーベル賞」の2017年の生物学賞に、北海道大学の吉沢和徳、慶応義塾大学の上村佳孝両准教授らが受賞した。雄と雌で生殖器の形状が逆転している昆虫を明らかにした。
体内受精する生物は通常、雄が雌の体に生殖器を挿入して交尾する。だがブラジルの洞窟で見つかったチャタテムシの一種は、雌が伸縮する突起状の生殖器を持ち、雄の穴状の生殖器に挿入するそうだ。
2人は米ハーバード大学で行われた授賞式を欠席したが、ビデオメッセージで参加した。「我々の発見でペニスを男性器と説明している世界中の辞書が時代遅れになった」とコメント、会場は笑いと拍手に包まれたという。
個人だけでなく、組織も対象となる。昨年の化学賞を受賞したのは、ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲン。「自動車の排ガス問題を、検査時には自動的・電気機械的に排出量を減らすことによって解決したこと」が受賞理由で、車に不正ソフトを搭載していた事件を皮肉った。
これで日本人の受賞は11年連続だという。意外にも日本人はユーモアがあるのかもしれない。本家のノーベル賞の発表も2週間後に迫る。4年連続の受賞となるか、楽しみである。
(2017/9/18 05:00)