[ ICT ]

富士通研、トロント大と新協定 量子コンピューティング研究加速

(2017/9/21 05:00)

  • トロント大学との共同研究の概要

富士通研究所は20日、カナダのトロント大学と新たな協定を締結し、量子コンピューティングを中核とした研究拠点をトロントに設立すると発表した。両社が開発した超高速の計算機アーキテクチャー「デジタルアニーラ」を発展させる。

デジタルアニーラの拡張により、従来のプロセッサーでは困難だった膨大な「組み合わせ最適化問題」を数分以内で処理が可能となるという。

新展開に向けて、複雑なパラメーターを設定せずに組み合わせ最適化問題を解く技術を新たに開発した。新材料を探索する際の分子類似性比較問題などで有用性を実証。カナダの1QBインフォメーション・テクノロジーと共同で、デジタルアニーラを化学や医療、金融などへ展開する。

さらにディープラーニング(深層学習)などの人工知能(AI)活用で問われるブラックボックス(中身が見えない)問題にも挑み、AIがどのように推定し、なぜその答えを出したかを説明する技術も開発した。

独自AI「ディープ・テンソル」と、「ナレッジグラフ」と呼ばれるグラフ構造の知識ベースを関連付けることで、推定理由や学術的な根拠を提示することに成功した。2018年度に実用化する。

佐々木繁富士通研究所社長は20日、川崎市内で会見し、「解けない社会課題を解くとともに、学習した中身を説明できなければいけない。その答えが見えてきた」とし、既存技術では解決できない難問を解くことの意義を強調した。

(2017/9/21 05:00)

総合3のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

↓もっと見る

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン