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[ 科学技術・大学 ]
(2017/10/3 05:00)
海洋研究開発機構の澤隆雄主任技術研究員や島津製作所、エス・エー・エス(東京都台東区)は2日、毎秒20メガビットの速度の水中光無線通信で距離120メートルのデータ伝送に成功したと発表した。水中光無線通信装置と、海域基礎データ取得装置を搭載した無人探査機「かいこう」を利用。通信距離100メートルでのLAN通信の水中無線ネットワークを確立し、遠隔操作による「リモートデスクトップ」接続にも成功した。
可視光による水中での光無線LANの構築のほか、海洋観測装置をインターネット上に接続するIoT(モノのインターネット)の可能性を示した。海底資源探査や港湾土木作業などの水中活動に応用していく。
研究グループは、水中での伝搬時に減衰が少ない青と緑、赤の光をレーザーダイオードから放射。光を点滅させることで情報を伝える水中光無線通信装置を試作した。
受信には高感度の光電子増倍管を利用した。双方向通信を行った結果、100メートル以上の距離での水中でのLAN通信に成功し、移動体に搭載した状態で実用的な通信速度が出せることを確かめた。
(2017/10/3 05:00)