[ 科学技術・大学 ]

うつ病の傾向、情通機構が予測手法開発 不平等感で脳活動に変化

(2017/10/4 05:00)

  • 扁桃体と海馬の位置(左)と経済的不平等に対する活動パターン(右)(情通機構提供)

情報通信研究機構・脳情報通信融合研究センターの春野雅彦研究マネージャーらは、脳活動の計測からうつ病傾向を予測する手法を開発した。

機能的磁気共鳴断層撮影(fMRI)装置の中で、不平等なお金の配分によって感情を大きくゆさぶるゲームを行い、脳活動を計測。機械学習手法を使い、現在と1年後のうつ病傾向を予測できた。うつ病の病状予測などにつながる可能性がある。

94人の被験者がゲームに参加。提案者は「自分に300円、被験者に200円」といったお金の配分額を被験者に示し、被験者は相手から提案されるお金の配分を受け入れるか、拒否するかをそれぞれ判断する。

被験者が提案を受け入れればそのままの額を両者が受け取り、拒否すればどちらの取り分も0円となる。fMRIでゲーム実施時の脳の血流量を計測し脳の働きを調べた。

提案者と提案内容を変え、56回の提案を被験者に決定させたところ、感情や記憶などをつかさどる「扁桃体(へんとうたい)」と、記憶や空間学習能力に関わる「海馬」という脳の領域で活動に変化が見られた。

さらに脳活動パターンからのうつ病傾向の予測値とうつ病傾向を調べるテストの実測値に相関があることを明らかにした。さらに1年後のうつ病傾向の変化値と予測値との間にも関わりがあることを突き止めた。

成果は英科学誌ネイチャー・ヒューマン・ビヘイビア電子版に掲載された。

(2017/10/4 05:00)

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