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[ 科学技術・大学 ]
(2017/10/10 09:30)
三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10日午前7時1分、日本版GPS(全地球測位システム)実現を目指す政府の測位衛星「みちびき」4号機を、鹿児島県・種子島宇宙センターからH2Aロケット36号機で打ち上げた。衛星は約28分後にロケットから分離され、予定の軌道に投入された。打ち上げは成功した。
みちびきは米国のGPSを補完する日本独自の測位衛星。GPSの測位情報を補正して誤差を約1メートルまで縮小するほか、国土地理院が全国に設置した電子基準点と連携し、最高で数センチ~数十センチメートル単位の精密測位を実現する。日本のほぼ真上(準天頂)を飛ぶ時間が長いため、ビルや山などに電波が遮られる「死角」を減らす効果もある。
4号機の打ち上げで、国内では常時みちびきの電波を受信できるようになる。政府は来年4月から測位データの提供を開始。重機、トラクターなどの精密な自動運転による建設工事や農作業の自動化のほか、現実の空間にコンピューター映像を重ね合わせる拡張現実(AR)と組み合わせた観光向けナビゲーションシステムなど、新たな利用法に向けた実証実験が行われる。
政府は2023年度中に、GPSに依存せず、みちびきだけで測位情報が提供可能になる7基体制を実現する計画を進めている。(時事)
(2017/10/10 09:30)