[ 自動車・輸送機 ]

来春めど、愛知で自動運転実証−名大発VBなど、車内サービスで収益化へ

(2017/10/16 05:00)

  • 開発を進める自動運転車のイメージ

ティアフォー(名古屋市中区、竹岡尚三社長、052・231・1751)や岡谷鋼機などは2018年春をめどに、自動運転車を用いた近距離移動サービスの実証実験を愛知県内の公道や商業施設内で始める。3次元(3D)プリンターで出力した車体を使うほか、移動中の車内でゲームなどのサービスを提供して収益化を目指すのが特徴。自動運転車は車メーカーやIT大手も開発中だが、車を使ったサービスも新しい市場として企業から注目されている。(名古屋・杉本要)

ティアフォーは15年設立の名古屋大学発ベンチャー。自動運転用の基本ソフト(OS)や人工知能(AI)をオープンソースで提供して、企業横断型の自動運転技術の開発や人材育成を進める。実証は提携関係にある商社の岡谷鋼機、高精度3D地図のアイサンテクノロジーと共同で実施する。車体は3Dプリンターで印刷した樹脂材を使い、シャシーや駆動ユニットなどには市販の電動ゴルフカートを転用。ティアフォーのOSを搭載する。走行場所は愛知県幸田町など複数の場所を検討している。

実証では、自動運転車が時速40キロメートル以下の中低速で走行。移動サービスの実用化後に移動費を取るかどうかは未定だが、ティアフォー自体はゲームや広告などの車内サービスで収益化する方針だ。日米で19年以降の事業化を目指す。

ティアフォーは9月にアイサンから出資を受けた。アイサンも8月、岡谷から出資を受けている。3社は中山間地域や街中で片道数キロメートル程度の“ちょい乗り”に自動運転のニーズがあるとみている。ティアフォー創業者で現在は最高技術責任者(CTO)を務める加藤真平東京大学准教授は「自動運転技術は公共交通の確保やドライバー不足の解消だけでなく、(移動サービスという)新事業の創出につながる」と話す。

クルマの移動に付随してのサービス提供は「MaaS」(サービスとしてのモビリティー)と呼ばれ、相乗り(ライドシェア)の普及に伴って市場拡大が期待される。現在のMaaSはベンチャー中心だが、市場本格化に備えて大手も動く。トヨタ自動車も保険やタクシーなど外部のサービス事業者が利用できる情報基盤(プラットフォーム)を構築して、MaaS市場にアプローチをかける方針だ。

(2017/10/16 05:00)

自動車のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

↓もっと見る

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン