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[ エレクトロニクス ]
(2017/10/26 05:00)
日立国際電気と京都大学大学院情報学研究科の原田博司教授らは、無線ネットワーク「Wi―RAN」を使い、従来の約9倍となる75キロメートルの範囲で画像・文字データなどの伝送に成功した。河川の監視や地滑りの検知など、Wi―RANを使ったIoT(モノのインターネット)システムの開発につながる可能性がある。
原田教授らの研究グループは、周囲の無線機を自動で探し、ネットワークを構築する無線機を開発。その無線機を比叡山や琵琶湖など5地点に設置した。実験の結果、一区間の最大距離が従来の4倍以上となる27・8キロメートルでデータを中継できた。また総中継距離は一つの市町村の大きさに値する75キロメートルを達成した。
これまでの実験では、最大でも一区間の距離は6キロメートルで、総中継距離は8・4キロメートルだった。さらにデータの伝送は2地点にとどまっていた。
開発した無線機を避難所に設置し地震などの災害発生時に各避難所から基地局へ必要な物資の情報を発信するといったシステムの開発が期待できる。内閣府の支援事業「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」の一環で実施した。
(2017/10/26 05:00)