[ 科学技術・大学 ]

ロボ用タスク開発・バグ取り統合ツール、産総研が開発

(2017/11/3 05:00)

  • コレオノイドの操作画面。ヒューマノイドがバルブを認識して把持、回転させるタスクを動作確認している(産総研提供)

産業技術総合研究所知能システム研究部門の中岡慎一郎主任研究員らは、ロボットの全身動作を直接編集・作製できるシミュレーター「コレオノイド」のタスク開発・実行管理ツールとバグ検出ツールを開発した。複数の技術者が協力しながら開発する際に進行管理しやすい。コレオノイドは経済産業省などが2020年開催の国際ロボット競演会「ワールド・ロボット・サミット」の災害対応種目に採用される見込み。開発環境を整えロボット開発を活性化する。

ロボット開発では機体の開発と同じように、タスク開発が重要だ。タスクはロボットの認識や動作、成否の判断などの複合的なプログラムの塊。一つの作業を実行するだけでも、大量のコードを書いたり組み合わせたりする必要がある。そこで研究グループは、タスク開発と実行・検証を統合した開発環境を構築した。プログラムを作成したら、そのまま実行して動作確認できる。ロボットを持ち込む現場が想定と違っても、その場でタスクを修正できる。

さらにタスク中のバグを探す機能も開発した。プログラム変更後にバグが発生したら、プログラムコードの何行目に変更点があるか特定。バグの原因となっている変更点を特定して修正できる。また測定値をゼロで割り算して数値を失う「浮動小数点例外」やメモリー容量以上の情報を書き込む「メモリ破壊」など、プログラム内で伝染していくバグの自動検出機能も備えた。

一般的にロボットのタスク開発は“バグ取り”に多くの時間が費やされてきた。開発環境を整えることで複数の技術者が協力してプログラムを作りやすくする。ロボット開発のハードルを下げて開発者の裾野を広げていく狙いだ。

(2017/11/3 05:00)

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