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[ 医療・健康・食品 ]
(2017/11/24 05:00)
東北大学大学院歯学研究科の相田潤准教授、東京医科歯科大学の松山祐輔研究員らは、教育年数が短い人は、非喫煙者であっても受動喫煙にさらされやすい傾向にあることを宮城県内の受動喫煙の調査で明らかにした。疾患リスクといった健康被害の知識の有無に関係なく、学校や職場では特に受動喫煙にさらされやすい結果となった。マナー徹底や知識普及が受動喫煙対策として不十分であり、国家的な対策の必要性を示した。
調査は、2014年の宮城県健康調査データを使って実施。ランダムに抽出された2632人にアンケートを行い、その中の非喫煙者1003人分のデータを使って調査した。
その結果、非喫煙者が受動喫煙にさらされる割合は家庭で19%、職場・学校では39%となった。教育年数別に調査すると、教育年数が13年以上と長い人と比較して、10―12年だと約2倍、9年以下の人は3倍受動喫煙にさらされることが多いという社会格差が明らかになった。また、非喫煙者がたばこの健康被害に関する知識を持っていても、学校・職場では受動喫煙にさらされてしまう結果となった。
相田准教授は、「家庭での喫煙・受動喫煙対策はコントロールが可能だが、職場で喫煙が許されていれば、いくら知識があっても受動喫煙にさらされる。喫煙の権利のもと、健康被害の知識普及やマナー徹底に留めると結局対策がザルになる」と話し、職場での受動喫煙対策の重要性を強調した。
相田准教授はさらに、今後必要な対策として「屋内に喫煙スペースを設けても、ドアの開閉時に受動喫煙にさらされてしまう。喫煙スペースを屋外に作り、建物内は全面禁煙化がいいだろう」と話した。
成果は、国際科学誌ジャーナル・オブ・エピデミオロジー電子版に掲載された。
(2017/11/24 05:00)
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