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(2017/11/30 05:00)
先端材料と加工技術の展示会「SAMPE JAPAN 先端材料技術展2017」(先端材料技術協会、日刊工業新聞社が主催)が29日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕した。強くて軽い炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などの先端材料や加工技術、関連装置が一堂に集結し、最新技術を競う。会場は多くの来場者であふれ、出展企業の熱のこもった説明に聞き入っている。
帝人はADEKAと共同開発した「ファイバーtoコンポジット」成形プロセスを発表。同手法は繊維強化プラスチック(FRP)を、補強したい素材上に直接積層できる。大規模な硬化炉やプレス用金型は必要なく、インフラ建設現場などで大型コンポジットも作れる。高速硬化エポキシ樹脂を使い数十秒の短時間硬化を実現。繊維の配向性が高く曲げ強度に優れる。帝人グループでコンポジット製品の設計などを手がけるジーエイチクラフト(静岡県御殿場市)の郷家正義社長は「画期的な手法を見てもらいたい」と話した。
東レはCFRPや高機能樹脂、繊維をふんだんに使ったコンセプトカーを展示し、来場者の目を引きつけた。田中尚コンポジット事業第1部長は「東レの多様な事業展開を見てほしい」と、CFRPを使ったロケットや自転車、ゴルフクラブ、ラケットなどを幅広く紹介した。
榎本機工(相模原市緑区)は自社スクリュープレス機を使い、炭素繊維強化熱可塑性樹脂シートを短時間で成形する技術を紹介。瞬間的に強い型締め力を出せるスクリュープレスの特性を生かし、表面が滑らかできれいな成形品が、加熱した中間材をセットしてから10秒程度で作れる。小林久雄専務は「成形品の精度は高い。自動車関係者にPRしたい」と意欲をみせた。
三菱ケミカルのブースにはトヨタ自動車や独アウディが採用したCFRP製部品が並んだ。炭素繊維を使ったシート・モールド・コンパウンド(SMC)工法、自社開発のハイサイクルプレス成形(PCM工法)など高効率な成形技術を自動車関係者に訴求する。
(2017/11/30 05:00)
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