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[ 科学技術・大学 ]
(2017/12/1 05:00)
【名古屋】名古屋大学大学院医学系研究科の山田豪講師らは、プラズマで活性化した「プラズマ活性乳酸リンゲル液」(PAL)が、がん転移の一種の膵(すい)がん腹膜播種(ふくまくはしゅ)の治療法になる可能性を突き止めた。
PALは膵がん細胞株での抗腫瘍効果があり、マウスへの投与により、腹腔内にがん細胞が種をまくようにして広がる腹膜播種の形成が抑制された。難病の膵がんの新しい治療法開発につながる可能性がある。
人間に投与できるプラズマ活性溶液を開発するため、通常診療で点滴などに使う乳酸リンゲル液にプラズマを照射してPALを作成した。
膵がん細胞に投与すると、細胞死や活性酸素種の働きを通じて、抗腫瘍効果があった。膵がん腹膜播種のマウスでは、PALを投与すると腹膜播種がわずかしか形成されず、投与しないと腹膜播種が増えた。
今後は臨床応用に向けて作用の仕組みを解明し、治療効果の高いプラズマ活性溶液を開発する。
成果は国際科学誌アナルズ・オブ・サージカル・オンコロジー電子版に掲載された。
(2017/12/1 05:00)
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