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[ 科学技術・大学 ]
(2017/12/1 05:00)
芝浦工業大学材料工学科の芹沢愛准教授は、アルミニウム材料を高温・高圧下の水蒸気にさらすだけで高強度・高耐食化する表面処理技術を開発した。錆の進行速度を100分の1程度に抑え、強度も1・5―2倍にできるという。現在、材料により異なる水蒸気プロセスの最適条件の発見や、塗膜との密着性の検討を進めている。産学連携を進め、数年以内に自動車部材や電化製品などの分野で実用化を目指す。
内部を高圧力にできる耐圧性の装置に、アルミニウムを入れて高圧・高温の水蒸気下にさらすと、表面に緻(ち)密な耐食性皮膜と結晶を形成する。
高耐食化するほか、圧力・温度によって結晶構造を制御すれば、高強度化にもつながる。困難だった高強度化と高耐食化の両立を実現した。
蒸気は細部まで行き渡るため、反応容器にさえ入れば大きなモノや複雑形状のモノにも適用できる。前処理が不要で化学薬品を使用しないため、低環境負荷で処理できる。
従来高耐食化するのに必要だった多くのプロセスや、大がかりな設備が不要となる。軽量なアルミニウムの活用範囲を広げる。
(2017/12/1 05:00)
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