[ 機械 ]

ビーティーティー、名古屋工大とSiC切削工具を開発 ナノレベルの加工実現

(2017/12/4 05:00)

  • SiC単結晶製の工具刃先

【名古屋】ビーティーティー(BTT、名古屋市守山区、和久田修志社長、052・736・8441)は名古屋工業大学と共同で、刃先に炭化ケイ素(SiC)単結晶を採用した切削工具を開発した。一般的なダイヤモンド工具よりも微細なナノメートル(ナノは10億分の1)レベルの加工が可能。SiC単結晶の切削工具は珍しいという。10数年かけて研究を続け耐久性などの技術課題を克服し、実用化した。オーダーメードにより販売する。

青木渉BTT会長と江龍修名古屋工大教授が共同出資するSiCツールズ(名古屋市守山区)が開発した。レンズ用のアクリル加工や、銅線の加工用途を見込む。アクリルでは通常必要な二次加工なしで透明なレンズができる。銅線は電気自動車(EV)向けに利用できるという。こうした精密加工を求める顧客ごとの用途に合わせて最適な工具を作り込む。

SiC単結晶の切削工具はダイヤ工具より精密な加工が可能だが欠損の発生など耐久性が課題だった。同社はSiC単結晶に金属原子を付与し、硬度を高める手法を研究。切削対象の材料ごとに最適な金属原子を探し、2000通り以上のパラメーターを定量化し、耐久性を確保した。

また、刃先形状の作り込みでは、SiC単結晶の研磨手法を確立。工具研削盤と江龍名古屋工大教授が開発したCMP(化学機械研磨)の固定砥粒(とりゅう)を用い、SiC単結晶の表面を滑らかにすることで、精密な加工を可能にした。

BTTは切削工具の新素材としてSiC単結晶に注目し、SiCを研究する江龍名古屋工大教授と12年ほど前に共同開発を開始。SiC単結晶の耐久性など長年の課題を解決し、実用化にこぎつけた。

(2017/12/4 05:00)

機械・ロボット・航空機2のニュース一覧

おすすめコンテンツ

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

「現場のプロ」×「DXリーダー」を育てる 決定版 学び直しのカイゼン全書

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

2025年度版 技術士第二次試験「建設部門」<必須科目>論文対策キーワード

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

技術士第二次試験「総合技術監理部門」択一式問題150選&論文試験対策 第3版

GD&T(幾何公差設計法)活用術

GD&T(幾何公差設計法)活用術

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

NCプログラムの基礎〜マシニングセンタ編 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

金属加工シリーズ 研削加工の基礎 上巻

Journagram→ Journagramとは

ご存知ですか?記事のご利用について

カレンダーから探す

閲覧ランキング
  • 今日
  • 今週

ソーシャルメディア

電子版からのお知らせ

↓もっと見る

日刊工業新聞社トピックス

セミナースケジュール

イベントスケジュール

もっと見る

PR

おすすめの本・雑誌・DVD

ニュースイッチ

企業リリース Powered by PR TIMES

大規模自然災害時の臨時ID発行はこちら

日刊工業新聞社関連サイト・サービス

マイクリップ機能は会員限定サービスです。

有料購読会員は最大300件の記事を保存することができます。

ログイン