[ 機械 ]
(2017/12/5 05:00)
日立建機は伐採用の林業機械に、木材を最も高い価格で売れる長さに自動的に切断するシステムを導入する。木材の長さと直径のデータ、市場価格をもとに最適な切断方法を提案でき、作業者の負担を減らせる。国内では林業の自動化が世界に比べて遅れているものの、国産材の活用に向けて林業機械の需要が高まることが見込まれる。システムの実証を進めて商用化を目指す。
日立建機は森林の伐採現場で木を定めた長さに切断する機械「ハーベスタ」と、フィンランド・ワラタ製の同システムを組み合わせる。市場価格を更新しながら、木材のデータを踏まえて価値を計算し理想の切断プランを自動的に立てる。切断作業を始めると直径の変化に応じてプランを随時更新する。作業者にとっては木の曲がり具合や傷などの確認だけで済むため、負担の低減につなげられる。
子会社の日立建機日本(埼玉県草加市)が同システムを活用する実証に取り組んでおり、市場投入を狙う。顧客の注文に応じて切断するのに加え、生産量の管理に役立つ。現場では作業者の技量や経験により木材が高い価格で販売できるように切断作業が行われているが、同システムの導入により林業関係者の収益向上を後押しする。
林業では生産性の改善や安全性の確保に向けて機械化が進む見通し。国産材もバイオマス発電をはじめ活用が広がりつつある。日立建機は林業仕様の油圧ショベルや木材破砕機などを手がけており、同システムの需要も取り込む。
(2017/12/5 05:00)