[ オピニオン ]
(2017/12/12 05:00)
「あいうべ体操」を始めた。その名の通り口を「あ・い・う」と大きく開け、最後に「べー」と舌を出すのがポイントである。舌の筋肉が強くなり、健康リスクを高めるとされる口呼吸の矯正に役立つという。表情が豊かになる効果も期待できるのだとか。
ここ数年、人の表情に関する研究が盛んだ。サービスロボットの実用化が急速に進んでいることが背景にある。トヨタ自動車の小型ロボット「キロボミニ」は表情を読み取って人の感情を推定する。
人とロボットの対話を円滑にするためには、表情に関する研究が欠かせない。三菱電機の研究者によると、表情は「喜び」「驚き」「恐怖」「嫌悪」「怒り」「悲しみ」「無」という七つが代表的な区分けだという。
ただ実際にはもっと多様で捉えがたい。「憂い顔」「したり顔」はまだ分かりやすいが、相手の「目が笑っていない」表情に気付かず、ばつの悪い思いをした経験のある人もいよう。
日本人は欧米人と比べて表情に乏しいといわれる。奥ゆかしさは美徳ではあるが、表情研究の遅れにつながるというのは過剰な心配だろうか。ともあれ表情豊かにロボットと対話し、共存していきたいものだ。さあ皆さんもご一緒に「あいうべ〜」。
(2017/12/12 05:00)