- トップ
- 科学技術・大学ニュース
- 記事詳細
[ 科学技術・大学 ]
(2017/12/14 05:00)
大阪大学大学院基礎工学研究科の境慎司教授と田谷正仁教授、富山大学理工学研究部の中村真人教授らは、インクジェット式のバイオ3Dプリンターで、複数の異なる細胞を含んだ3次元構造物の造形に成功した。液滴の積み重ねで生存した細胞を含むゼリー状の立体構造を実現。iPS細胞(人工多能性幹細胞)やES細胞(胚性幹細胞)などから分化誘導した細胞を使い、再生医療用の組織や臓器の体外での構築実現につながる。
研究グループは、西洋わさびに含む酵素「ペルオキシダーゼ」を、ゼラチンやヒアルロン酸など、再生医療で有用な材料に添加。特定の官能基同士をつなげる酵素作用により、瞬時にゼリー状に固まるインクを開発した。
インクに細胞を分散させ、直径0・05ミリメートルの液滴を酵素反応で固めながら1滴ずつ積み重ねて造形。大半の細胞が生存した立体構造物を作れた。インク内での細胞の増殖も確認できた。
複数のカートリッジに別の種類の細胞を含むインクを充填し、複雑な構造も再現可能。1細胞レベルで位置を制御して造形できる。
(2017/12/14 05:00)