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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/12/18 05:00)
日本舶用工業会(JSMEA)が提案する船舶向けのデータ連携技術が、国際標準化機構(ISO)の規格として2018年夏に発行される見通しとなった。速度、燃料残量、波高といった情報を複数社で共用できる仕組みの規格化により、日本発の船舶IoT(モノのインターネット)システムとして国際的な普及が期待される。日本では、この技術を用いた業界横断的なデータ連携が18年に始まる予定。国内船舶関連産業の競争力向上にもつながりそうだ。
規格化の対象は船上に置くIoT機器、サーバー、データなどの要件。これらを用いることで、さまざまな企業が船舶の稼働情報を共通の手法で収集できる。企業を越えて情報収集できるため、大容量データの分析に基づく航路の最適化、燃費管理の効率化といった効果が見込まれる。
ISO内の投票により、JSMEAの案を最終国際規格案(FDIS)とすることが決まった。詳細の調整を経て、来春に規格発行に向けた最終的な投票が行われる見通しだ。JSMEA関係者によると「欧州勢が賛同しており、18年7―8月ごろには発行できるはず」という。
国内では日本海事協会子会社のシップデータセンター(東京都千代田区)が中心となって、ISOに提案中のIoTシステムを18年前半から運営する計画。造船会社、海運会社、機器メーカーなどが参画する見込みだ。
船舶関連業界では船主、荷主、メーカーなど多様な立場の企業が稼働データを利用しているが、各社独自にデータを収集・蓄積しており効率が悪い。これを解決するため、JSMEA内の研究会がデータ連携技術を開発、国際規格化を目指していた。
(2017/12/18 05:00)