[ オピニオン ]
(2017/12/25 05:00)
「どうやってウチを見つけたんでしょうねぇ〜」。熱処理加工を手がける上島熱処理工業所(東京都大田区)社長の上島秀美さんは笑う。塩浴炉(ソルトバス)を使った熱処理加工に着目したTBSの取材を受け、BS番組で放送されたという。
東部金属熱処理工業組合(東京都港区)理事長でオーネックス社長の大屋和雄さんにも、別のテレビ局から取材依頼があったそうだ。「当社の宣伝というより、多くの人に熱処理業界を知ってもらう良い機会だ」と話す。
NHKが月1回放送している番組『超絶 凄ワザ!』は、さまざまな分野の技能を極めた職人や最先端分野に携わる技術者が、対決形式で究極の作品を仕上げるという内容。互いのプライドを賭けての真剣勝負が、モノづくりの奥深さを伝える。
このほかテレビ東京系の『和風総本家』など、モノづくりや職人技を紹介する情報番組やドラマが目立つ。技術立国の日本を支える中小企業や個人が、多くの人たちに知ってもらうことは良いことだ。
中小のモノづくり企業が、海外との競争激化や人手不足などから苦境に立たされているといわれて久しい。日刊工業新聞も、未知の技術や企業を発掘し、光を照らす存在であり続けたい。
(2017/12/25 05:00)