[ オピニオン ]
(2017/12/26 05:00)
経団連会長の榊原定征さんは「私は運がいい」と話す。前任の米倉弘昌さんの会長在任中の首相は4人。その前任である御手洗冨士夫さん時代は、実に5人の首相が次々と登場した。あいさつするだけでも難儀だったろう。
榊原さんのカウンターパートは、第4次内閣まで政権を維持している安倍晋三首相ただひとり。安倍1強の政界が、榊原さんの強みである政権との緊密な関係を可能にした。来年5月末、首相より経団連会長の任期末が先に来るのは確実だ。
民主党に代わって第2次安倍内閣が発足したのが2012年12月26日。安倍政権はきょう6年目に入る。短命に終わった第1次政権を加えた首相在任期間は2193日間となり、桂太郎、佐藤栄作、伊藤博文、吉田茂に次ぐ憲政史上5位。戦後だけなら3位になる。
現在の安倍政権の場合、麻生太郎副総理兼財務相と菅義偉官房長官も同じく6年目だ。内閣の骨格が、これほど強固なことは、歴代の長寿政権にもない特徴だろう。
諸外国に目を向ければ、米国大統領に多い2期8年間はじめ10年間近く政権を維持することは珍しくない。政治と経済が一国の運営の車の両輪であるためには、財界総理が首相の任期に気をもまずにすむ方がいい。
(2017/12/26 05:00)