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[ 中小・ベンチャー ]
(2018/1/13 07:30)
小倉クリエーション(北九州市小倉北区、渡部英子社長、093・561・0700)は、独自の機械織り小倉織ブランド「縞縞」でインテリア分野に参入する。このほど同社として初めて小倉織の生地(綿100%)の耐摩耗度が、耐摩耗試験のマーチンデール法でいう「重使用」「公共・商業施設」の基準をクリア。これによりホテルや公共施設などに置かれるインテリアの生地として使えるようになった。今後、同社はこうした分野への提案を強化し、国内外で小倉織を広めていく構え。
公共・商業施設プロジェクトに積極参画
渡部社長は「小倉織の一部の生地でこの数値をクリアしました。今後、基準をクリアした生地を国内外に紹介し、公共施設や商業施設などのさまざまな(インテリアに関する)プロジェクトに参画していきたい」とし、新たな販路の開拓への意欲を言葉にする。
小倉織は北九州・小倉の伝統工芸で、鮮やかなしま模様を特徴とする先染めの木綿布。たて糸3本に対して横糸1本の割合で織り、江戸時代には徳川家の献上品だったことも知られている。小倉クリエーションは小倉織の機械機(きかいばた)で生産し、汎用品としての小倉織の普及を目指している。
同社の生産する小倉織は、これまで耐摩耗試験の一手法であるマーチンデール法が示す「一般使用」の強度で、他社とコラボレーションした家庭用のロッキングチェアやサークルチェアの製作で実績があったが、生地の強度の問題でホテルや公共施設に置かれるインテリアについては参入できなかった。
そのため、同社は協力工場で依頼し、さまざまな強度の小倉織を生産、県内の工業試験場でテストを繰り返していた。同社の主力製品は小倉織を使った小物類、風呂敷、服飾など。「縞縞」ブランドの製品群は、10年に経済産業省がさまざまな製品から"よいデザイン"を選ぶ「グッドデザイン賞」を受けた。
小倉クリエーションは小倉織の保存・発展を目指し、手織りの小倉織の製造・販売を手がける関連団体などと協力し、組合立ち上げを急いでいる。組合発足後、まず地域ブランドの認定、その後、伝統工芸品の指定が受けられるよう体制を整える方針。
(2018/1/13 07:30)