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[ 医療・健康・食品 ]
(2018/1/5 16:30)
希少な目の遺伝性疾患に対する革新的な遺伝子治療薬「ラクスターナ」が、両目85万ドル(約9600万円)、片目42万5000ドルという価格で販売される。同薬を開発した米バイオテクノロジー企業、スパーク・セラピューティクスが明らかにした。
ラクスターナが米食品医薬品局(FDA)に先月承認されて以来、価格を巡る臆測が広がっていた。相次いで開発されている1回の治療で目覚ましい結果を生む初の医薬品の一つであり、それに見合ったコストがかかる可能性があることも明らかだったためだ。
スパークは遺伝子の変異によって起きる一種の遺伝性網膜疾患を持つ推定1000-2000人の米国人に対し、同薬が当初効果を発揮するかどうか、また効果が持続するかどうかに基づいて、割引を提供する。
「この価格は、1回のラクスターナ使用が持つ人生を変えるような画期的な価値を反映しているだけではなく、当社がラクスターナのみならず他のパイプライン(新薬候補)を支える革新的な科学技術に投資し続けていくことを可能にするだろう」とジェフ・マラッツォ最高経営責任者(CEO)が電話インタビューで語った。
だがスパークにとって最大の課題は、治療対象となる患者を見つけることかもしれない。
この病気にかかった数千人のうち、実際に検査を受けて罹患(りかん)が確認されている人は一握りにすぎない。治療法がなかったため、診断がほとんど役に立たなかったからだ。同社によると、病気が比較的進行した多くの人は治療対象にならないという。(ブルームバーグ)
(2018/1/5 16:30)