- トップ
- 環境・エネルギーニュース
- 記事詳細
[ 環境・エネルギー ]
(2018/1/8 05:00)
DFC(京都府宇治市、松本一希社長、0774・45・2503)は、シート状アルミニウムと水酸化カルシウムを用いて水素を24時間以上安定発生させる技術を確立した。固体水素源となるため、燃料電池に水素を供給するタンクなどが不要。安価な汎用材を用い、安全かつ安定的に水素を得られる。携帯電話基地局の非常用電源や燃料電池フォークリフトでの活用を見込む。
開発した水素発生技術を用いて、最大出力1・1キロワットの燃料電池で連続発電できるシステムを開発した。シート状のアルミと水酸化カルシウムを容器内に入れ、水を注入して反応させることで水素を発生させる。アルミを触媒とし、水酸化カルシウムと水が化学変化を起こす。
常温・常圧の環境で95%以上の高い反応率を実現し、水素の流量は1分間当たり最大13リットル。粉末に比べ反応時間が長く、シート厚を調整することで反応時間を制御できる。水は発生装置外周で循環させ、恒温槽で最適な水温を保つ。
燃料電池フォークリフト向けの水素製造装置としても需要を見込む。さらに今後、廃棄物処理施設に持ち込まれた不純物が混入したアルミでの水素発生条件を探る。これによって、施設内で運転するフォークリフトの水素供給源として廃棄物を活用できる。アルミ溶解工程で発生する産業廃棄物のアルミニウムドロスの有効活用も期待できる。
環境負荷の少ないエネルギー源として注目される水素だが、タンクに入れて運搬や保管する必要がある。開発した技術では必要な分量の水素を必要になったときに確保でき、低コストの固体水素源として使える。
(2018/1/8 05:00)