- トップ
- 科学技術・大学ニュース
- 記事詳細
[ 科学技術・大学 ]
(2018/1/31 05:00)
【名古屋】名城大学持続可能イノベーション社会創成センターは、雑草から生産したメタンガスでガスエンジンを燃焼して発電するシステムを開発した。雑草を刈り取って土壌に混入、水を湛(たた)えた後にシートで覆う。酸素が無い状態で微生物発酵し、バイオメタンガスを生産する仕組み。ガス貯蔵や供給、エンジン始動などの自動化システムを開発し、2020年をめどに実用化を目指す。
雑草は水田のようなところで発酵させ、ガスを袋で吸収し、パイプでガスエンジンに供給する。エンジンはメタンガス向けに最適制御をかけており、供給電力は出力約800ワットまで高められた。
雑草由来のメタンガス生産システムは、材料の処理や分別が不要。このため、ほかのバイオマスエネルギー生産で必要になる固液分離装置や炭化装置などの大規模な設備を導入せずに構築でき、コストを低減できる。
バイオマス原料供給の安定性や、有害物質がほとんど発生しないなどのメリットも見込める。
さらにガスエンジンは、コージェネレーション(熱電併給)システムとしての活用も研究している。熱で湯を沸かして農業用ハウスに電気とともに供給してハウスの温度制御に活用、園芸作物などの栽培に生かす方針。
同センターは従来、稲わら1キログラムから濃度60―70%で310リットルのバイオメタンガスを生産し、発電する技術を確立しており、これを雑草にも応用した。適用範囲の拡大で普及促進につなげる。
(2018/1/31 05:00)
科学技術・大学のニュース一覧
- 雑草からメタンガス生産 名城大が発電システム、20年めど実用化狙う(18/01/31)
- ケイ藻を低コスト培養 兵庫県立大など、実証プラント稼働(18/01/31)
- 拓く研究人(185)/防災科学技術研究所主任研究員・三輪学央氏(35歳)(18/01/31)
- 工業用の3倍の性能持つ、低温域アンモニア合成触媒 東工大が開発(18/01/31)
- 電池容量2倍、充放電5000回に耐える負極材 物材機構が開発(18/01/31)
- 銀河誕生の謎に迫る 世界最高レベルの光赤外線望遠鏡が完成(18/01/31)
- 四足歩行動物の肩甲骨の正しい位置、名大が解明(18/01/31)
- 東北大、今年度共同プロ研究発表会 来月22日に(18/01/31)
- 経営ひと言/JAXA宇宙飛行士の油井亀美也さん「国際協力が重要」(18/01/31)