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[ 科学技術・大学 ]
(2018/2/2 05:00)
海洋研究開発機構海洋生命理工学研究開発センターの布浦拓郎主任研究員らは、生命活動に必須なアミノ酸などの合成に重要な「クエン酸回路」の中で、生命進化の初期形態と見られる同回路を持つ細菌を深海で発見した。水深1370メートルで熱に強い細菌を採取。周囲の環境に応じ生命機能を変化させていた。利用できる物質に応じ代謝を変化させる生物が初期の生命として誕生した可能性がある。
また深海の生物資源を創薬や材料開発などにつながる取り組みが期待される。成果は2日、米科学誌サイエンスに掲載される。
研究チームは、九州西部から沖縄にかけて延びる海底盆地「沖縄トラフ」の熱水活動域から、熱に強い細菌「サーモサルフィディバクター」を採取。同細菌を培養したところ、同じ酵素で構成された回路を使い、一部の化学反応の向きを制御。硫化水素などをエネルギー源にする「独立栄養」と、これに有機物を使ってエネルギーを得る「従属栄養」を組み合わせた「混合栄養」のシステムを環境に応じ使い分けることが分かった。
(2018/2/2 05:00)