[ 政治・経済 ]
(2018/3/19 05:00)
製造業で人手不足の深刻化が止まらない。経済産業省のアンケートでは9割超の企業が人材確保に問題があると回答し、2016年度の約8割からさらに増えた。特に技能人材の不足は、現場力を維持・強化する上で大きな課題となる。約3割の企業は、ビジネスにも影響が出ているという。足元で需要が堅調に推移する中、ロボットやIoT(モノのインターネット)による現場革新が急務だ。
経産省製造産業局が17年12月に実施した人材確保に関するアンケートでは、94・2%が人手不足を認識していることが分かった。数値は16年度(16年12月実施)の80・8%から10ポイント以上伸び、深刻さが浮き彫りとなった。回答社数は、約4300社。
経産省は19日に開く審議会で、製造業を取り巻く課題として調査結果を公表する。
また、アンケート回答企業の32・1%が、人手不足により「ビジネスにも影響が出ている」とした。こちらも16年度の22・8%からさらに増え、課題の重大さを物語る。
背景の一つが堅調な市場動向だ。足元で一部変調の兆しはあるものの、モノづくりの需要は総じて高水準に推移。
ある機械部品メーカー経営者は半導体市場の拡大などに触れ、「人がもっといれば売り上げを増やせる」と唇をかむ。
打開策としてロボットやIoTに期待がかり、経産省も導入支援に動く。だが、「どうしても人でないと難しい工程がある」(同じ経営者)のが難点だ。それでも、超高齢化社会の中で労働力の増加は望めない。
製造業は属人的な工程をいま一度見直し、モノづくりを抜本的に変える必要性に迫られている。
(2018/3/19 05:00)