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METI Journal×日刊工業新聞 経産相・世耕弘成氏に聞く、CI提唱1年

(2018/4/3 05:00)

■日本の企業文化 変える/中小13万社に500億円

データを介したさまざまなつながりにより新たな付加価値の創出や社会課題の解決を目指す「コネクテッド・インダストリーズ(CI)」。2017年3月に世耕弘成経済産業相がドイツ情報通信見本市(CeBIT)で提唱してから1年が経過した。産業界への浸透など今後の戦略を聞いた。(編集委員・鈴木真央)

―CIの意義や広がりを改めて教えてください。

「CIの本質は新たな時代の変革をリードすべく日本の企業文化を変えることだ。国内の過当競争で消耗し、グローバル競争に勝てないことが課題。協調領域と競争領域を整理し、日本の産業界を生まれ変わらせたい。自動走行やロボティクスなど政策資源を投下すべき重点5分野を決め、データ協調領域の拡大に向けた検討を加速化させている」

―協調領域拡大に向けた官の役割は。

「データ活用のためのIT人材育成と安心してデータをやりとりできる環境整備が重要だ。今国会に提出した法案に基づき、データ共有を行う事業者を認定し、減税措置や国が保有するデータ提供を促す仕組みを構築する。データ利用の権利や責任関係を明確化するためのガイドラインを産業ごとの特性を踏まえた実用的なものに改訂する」

―中小企業にCIを浸透させるにはIT化が欠かせません。

「人手不足の解消、生産性向上にはCIの実現が有力手段。17年度補正予算で中小サービス業などのIT化を進めるため500億円の予算を確保し、約13万社を支援する。2月には経済産業省を事務局とする『中小サービス等生産性戦略プラットフォーム』を発足した。業種の特性や事業課題に応じた成功事例を共有し、生産性向上活動を全国に広げる」

―電気自動車(EV)化や自動走行など自動車産業の構造変化に対する考え方は。

「EVについては電池資源の確保や充電時間の長さなど課題も存在する。燃料電池自動車(FCV)にもしっかり目配りし、一本足打法ではなくいろいろな状況に対応できる自動車産業の構えを作っていく。自動走行の社会実装も重要だ。直面する大きな波をイノベーションを生み出す攻めの機会と捉えて対応したい。私が主催して4月にも戦略会議を立ち上げ、日本の議論を国際的に発信する」

―製造業の品質保証体制強化にもCIは有効でしょうか。

「ロボット導入や品質データの共有などを通じ、ウソのつけない仕組みを構築していれば未然に防げた面もある。一部企業では監視カメラの画像データを解析し、人間の逸脱動作や設備の不具合をリアルタイムで早期発見する仕組みを構築することで最終製品までのトレーサビリティーを実現している。品質保証体制の強化は経営トップが腰を据えて取り組むことが重要だ」

(2018/4/3 05:00)

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