[ オピニオン ]
(2018/4/4 05:00)
沖縄県が「国際旅客ハブ」を目指して動きだした。那覇空港の第2滑走路完成後の2020年度には、欧州への直行便を就航させ、アジア圏に加えて欧州からの誘客を増やすという。
ハブ化では、すでに貨物が先行している。ANAホールディングスが夜間・早朝の貨物航空便を東アジアと東南アジアで構築。深夜の那覇空港は国際貨物が行き交う拠点になった。旅客でもハブにしようというのが今回の構想だ。
17年の入域客数がハワイを超えたことで、沖縄は国際的観光地として自信を強めている。だがクルーズ船による短時間の寄港も多く、観光客の消費額でみると、長期滞在型のハワイとは開きがある。そこで滞在期間の長い欧米客を狙う。
計画は3段階。東京発着による国内の周遊ルート形成から始め、ソウルや上海、香港などアジアに周遊の輪を広げる。最終的に直行便による沖縄を玄関口としたハブ化を狙う。
ただ近年の観光客の急増に対し、受け入れ態勢が追いつかない部分も多い。人材不足や都市部の交通渋滞は解決に時間がかかる。電子決済の環境整備や海外空港との競争力の差も課題だ。量と質を同時に求める現在の方向性が歪みを生んでは困る。“ハブの毒”の見極めも必要だ。
(2018/4/4 05:00)