[ 政治・経済 ]
(2018/4/5 11:00)
【ワシントン時事】トランプ米大統領は4日、不法移民流入を阻止するため、軍組織である州兵のメキシコ国境派遣を命令した。政権が掲げる国境管理強化の一環で、中米諸国からの麻薬密輸や犯罪組織メンバーの密入国を防ぐのが狙い。
トランプ氏は命令文書で、メキシコ国境が「危機的状況に陥っている」と指摘。マティス国防長官とニールセン国土安全保障長官に「州兵活用を含め、非合法な外国人流入の阻止に必要な手段」を講じるよう命じた。
メキシコからの不法越境者摘発は現在、国土安保省が所管する国境警備隊が主に担っている。命令文書は「任務遂行のため、必要に応じて可能なすべての権限を行使」することを国防長官に認めているが、派遣される州兵は国境警備隊を補佐し、直接の取り締まりに当たらない見通し。
記者会見したニールセン氏は「早期の派遣開始を望んでいる」と述べたが、具体的な時期は示さなかった。派遣の規模や期間に関しては、平時に州兵を管轄する各州当局と調整する。
米国ではブッシュ(子)、オバマ両政権時代にも、メキシコ国境で州兵が国境警備隊の支援に当たった。トランプ氏は不法移民対策として、メキシコ国境への「壁」建設を公約しているが、構想は進んでいない。3日には記者団に「壁と適切な安全策ができるまで、軍に国境を守らせる」と語っていた。
(2018/4/5 11:00)