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[ 科学技術・大学 ]
(2018/4/19 05:00)
明治大学総合数理学部の渡邊恵太准教授は、ボタンやディスプレーなどのユーザーインターフェース(UI)がない自動販売機「アノハコ」を開発した。スマートフォンなどから商品を選び購入し、自販機は商品提供のみを担当する。UIをスマホに持たせることで自販機やコインロッカー、ATMなどの複数の機能を持たせることができるようになる。
渡邊准教授が提唱する、装置の外にUIを配置して機能を増やす「UIの外在化」という設計手法を自販機として具体化した。アノハコは缶飲料を提供する機能を備え、商品を並べるディスプレーなどは持たない。スマホから商品を選んで電子決済すると、そのデータを近距離無線で確認してアノハコから商品が提供される。
装置からディスプレーなどのUIを取り除くと、スマホのUI次第で自販機やコインロッカー、ATMなどの多様な装置として働ける。UIはウェブブラウザーで動くため、表示端末を選ばない。
これまでは自販機なら一目で自販機とわかる外見をしていた。インターネット空間と実社会が高度につながった社会「ソサエティー5・0」ではネットで商品を購入し、どこかの装置から受け取ることが想定される。
UIをネットに預けることで実際の装置は複数の機能をまかない、装置稼働率を高める設計手法が求められていた。装置の見た目やディスプレーを拡張現実(AR)で演出し、演出ごとに購入率を比較することも可能。ウェブデザインの知見を自販機などの装置ビジネスに導入していく。
(2018/4/19 05:00)