[ 政治・経済 ]
(2018/5/1 11:30)
【ワシントン=時事】トランプ米政権は30日、7カ国・地域を除外して3月下旬に発動した鉄鋼、アルミニウムの輸入制限について、欧州連合(EU)などへの適用除外を1カ月間延長すると発表した。貿易赤字の削減を狙う米国は、猶予期間を延ばす代わりに通商交渉で譲歩を要求する構えだ。
発表によると、EU、カナダ、メキシコへの適用除外期限を6月1日まで延ばす。自由貿易協定(FTA)再交渉が3月下旬に決着した韓国は、鉄鋼製品に限って除外措置を恒久化する。オーストラリア、アルゼンチン、ブラジルとは鉄鋼・アルミの除外措置を続けることで暫定合意した。
米国は、安全保障上の脅威に対抗する通商拡大法232条に基づき、鉄鋼製品に25%、アルミ製品に10%の追加関税の適用を開始。EU、カナダ、メキシコ、オーストラリア、アルゼンチン、ブラジル、韓国を当初の除外対象としていた。日本産品は当初から課税対象となっており、政府が除外を米国に求めている。
EUは恒久的な適用除外を要求。大詰めを迎えた北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉では、カナダとメキシコが輸入制限に反発し、除外措置の継続を訴えていた。オーストラリア、アルゼンチン、ブラジルについては米国が貿易黒字を計上している事情を考慮したとみられる。
(2018/5/1 11:30)