[ オピニオン ]
(2018/5/24 05:00)
新日鉄住金が2019年4月に、日本製鉄に社名を変更する。戦後の1950年の旧日本製鉄の解体後、新「日本製鉄」は、69年ぶりに旧社名に回帰する。
明治の官営八幡製鉄所をルーツとして戦後、GHQによる過度経済力集中排除法で引き裂かれ、70年の八幡製鉄、富士製鉄の合併で日本経済の「旗艦」として、再結成。「鉄は国家なり」を自負した旧新日本製鉄と、住友御三家の一角を占めた名門・旧住友金属工業の名称は終わる。各地の事業所や最寄り駅、グループ会社からも「新日鉄」と「住金」の文字が消えそうだ。
ただ、新たな日本製鉄の呼び名は「にっぽんせいてつ」で、かつての「にほんせいてつ」とは、一線を画す。新日本製鉄として再スタートした当時から、同社の海外商標は「NIPPON STEEL」だった。
ここまで書いてきて頭が混乱気味だ。「旧」と「新」という文字が続く「旧新日本製鉄」という書き方だ。「新旧」という言い方はあっても、「旧新」はない。
かつて「新人類」と評された世代ももうすぐ定年を迎える。「新御三家」の一人も泉下の客となった。リニア新幹線が開通すれば、現在の新幹線は「旧新幹線」と表記されるのだろうか。
(2018/5/24 05:00)