[ オピニオン ]
(2018/5/31 05:00)
日本の食材が海外で人気になって久しい。西日本からもイチゴや魚、肉に日本酒、緑茶といった高級食材が続々と海を渡っているが、まだまだ伸びる余地はある。
全日本空輸が、6月から北九州空港に国際定期貨物便を就航する。九州と中国地方の商品を、那覇空港を経由してアジア主要6都市に運ぶ。関西や関東を経由する必要がないため、域内の物流モデルが大きく変わる。
自動車や電子部品が主だが、食品輸出も注目だ。国は農林水産物・食品の輸出を2012年の約4500億円から、20年までに1兆円規模に拡大する目標を掲げる。高級食材が多い九州や中国地方にかかる期待は大きい。
北九州空港は域内唯一の24時間空港のため、深夜発であれば翌早朝にバンコクやシンガポールにまで商品が届く。こんなビジネスチャンスを逃す手はなかろう。
人気が急騰しているブリ、ワイン好きをもうならせる清酒、マンゴーやメロンなどの果実。日本人でさえ、めったに味わうことがない幻の逸品が地方にはまだある。増え続ける外国人観光客に対するおもてなしも大事だが、挑戦するアウトバウンド精神こそ国を豊かにする。この機を逃さず、生産者や流通業者は新たな市場に羽ばたいてほしい。
(2018/5/31 05:00)