[ 政治・経済 ]
(2018/6/10 07:00)
【香港=時事】8日付の香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは韓国空軍筋の話として、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が米朝首脳会談出席のため空路シンガポールに向かう際、中国が戦闘機を派遣して金委員長の搭乗機を護衛する可能性があると伝えた。長距離の空路移動に不安を持つ正恩氏に配慮を示すことで、北朝鮮に対する影響力を強める狙いがあるとみられる。
同筋は「戦闘機による護衛は警備上、最高の儀礼の一つだ」と説明した上で、「(護衛は)中国が金正恩体制を強く支持するという、米韓同盟に向けたメッセージかもしれない」と述べた。元中国軍高官によれば、護衛は中国領空内に限られるが、同国が領有権を主張する南シナ海も含まれる公算が大きいという。
香港在住の軍事アナリストは同紙に対し、国家指導者の搭乗機を戦闘機が護衛するのはよくあることだが、第三国に向かう外国指導者の搭乗機を護衛するのは珍しいと指摘している。
金正恩氏の飛行ルート確認か 中国機がシンガポールに
【シンガポール=時事】12日にシンガポールで米朝首脳会談を控える中、中国国際航空機が9日、平壌からシンガポールに到着した。チャーター機とみられる。同機は平壌から主に中国上空を経由して、シンガポール入りしており、会談に出席する金正恩朝鮮労働党委員長の飛行ルートを確認した可能性がある。
中国国営中央テレビ(電子版)によると、訪朝していたシンガポールのバラクリシュナン外相は9日、経由地の北京で「24時間後に両国の指導者が相次いで到着する」と述べ、トランプ米大統領と正恩氏が10日中にシンガポール入りするとの見通しを示した。
中国国際航空機は9日午後にシンガポール入り。数時間後に離陸し、北上した。行き先は不明だが、平壌に向かった場合は、正恩氏ら一行を乗せて、10日に再びシンガポールに向かう可能性もある。
正恩氏はシンガポール入りに際し、専用機に搭乗するとの見方が出ているが、機体が古く、安全性を懸念する声もある。また正恩氏の安全を確保するため、中国上空を移動するとみられ、中国戦闘機が護衛する可能性があるとの報道もある。
(2018/6/10 07:00)