[ オピニオン ]
(2018/6/15 05:00)
「エルメス、ルイヴィトン…仏メーカーのような商売をしたいんだけど」。自動車部品メーカー経営者のボヤキを聞いた。良いモノを安く売る勝負をしてきたが、良いモノを高く売るために知恵を絞る仏流の発想も経営に取り入れたい。
人材派遣が本業ながら、電気自動車(EV)ベンチャーの顔も持つアスパーク(大阪市北区)は、まさにこの発想でEV市場に打って出る。想定価格350万ユーロ(約4億6000万円)というスーパーカー「アウル」の受注を10月の「パリモーターショー」で始める。加速性能を訴求し、目の肥えた欧州の富裕層に主に売り込む。
自動車関連で言うと仏車の日本市場でのポジションの取り方も興味深い。販売台数ではメルセデスベンツなど独車が王者だが、2017年販売の前年比増加率ではプジョー、シトロエン、ルノーの仏ブランドがいずれも2ケタを超え、存在感を示す。
独車と国産車の中間をいく「ちょっとぜいたく」を提案する巧みなマーケティングと、丸みを帯びたオシャレなデザインが受け女性ユーザーも増えている。
超高級品でも大衆寄りの製品でも、人を惹きつけるブランドを確立できるのが仏メーカーの強さだろう。そのエスプリに学びたい。
(2018/6/15 05:00)