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[ 科学技術・大学 ]
(2018/6/30 07:00)
沖縄戦で日本軍の攻撃を受け、沖縄本島北部の古宇利島沖で沈没した米国軍艦「エモンズ」の3次元モデルの構築に成功したと、九州大・浅海底フロンティア研究センターなどのグループが発表した。九州大の菅浩伸主幹教授は「沖縄戦を伝える貴重な戦争遺跡。平和教育に役立てたい」と話している。
エモンズは全長106.2メートル、幅11.0メートルの駆逐艦で、1945年4月、日本軍特攻機の攻撃で沈没した。長らく所在不明だったが、2001年、古宇利島沖の海底約40メートルで発見された。
グループは潜水でエモンズに全方位から接近し、計1820枚の高解像度写真を撮影。5センチメートル刻みで測量した地形のデータと合わせ、海底に横たわる船体の精密な3次元モデルを構築した。
モデルを解析した結果、エモンズはサンゴ礁の塊に引っかかるようにして右舷を下に横たわり、艦橋や船尾は、特攻機の攻撃のためか、激しく破損していた。砲塔などがある甲板は比較的損傷が少なかったという。
菅主幹教授は「ハワイ・真珠湾に沈む『アリゾナ』にも対比できる重要な水中戦争遺跡。今後このモデルを基にさらに調査を進めたい」と話している。(時事)
(2018/6/30 07:00)