(2024/12/24 12:00)
男性育休85%
ジェイ・エム・エスは医療機器や医薬品関連事業を国内外で展開する。製造現場には多数の女性社員が在籍し、国内主力生産拠点である出雲工場(島根県出雲市)では過半が女性で貴重な戦力となっている。2021年度から5年間の行動計画では女性管理職の比率拡大を目標に掲げた。もう一つの目標が男性の育児休業取得率向上。周知活動により予想以上の成果が出ているという。
ジェイ・エム・エスは1965年、広島県廿日市市に日本メディカル・サプライとして設立し、94年に現在の社名に変更した。2024年4―9月期連結決算は「透析」「血液・細胞」両領域がそれぞれ1割程度売り上げが増え、増収で営業黒字転換を果たした。
出雲工場で生産する輸液ポンプなどの装置は「病院の要望を受けて個別対応するため人手が必要になる」(梅田政司人事部勤労課長)という。工場内はクリーンルームで空調を完備し、女性が働きやすい環境にある。出雲工場に勤務する社員691人のうち女性は379人と半数以上。夜勤もある2交代や3交代で働く女性も約100人在籍する。治具を軽量化したり、材料を小分けにしたりするなど女性が作業しやすい様に改良している。
21年度から5年間の女性活躍に関する行動計画では管理職に占める女性の割合を8%以上、新卒総合職の女性比率40%以上とする目標を掲げた。女性管理職の登用は時間も必要となるため、まだ実現できていないという。一方、新卒総合職の女性比率40%はすでに達成しており「今後はこの割合を継続していきたい」(同)。
行動計画で掲げたもう一つの目標が男性の育児休業取得率30%以上。女性は育児休業をほぼ全員が取得し、1年後に職場に復帰する。一方、工場勤務の男性社員の取得はゼロ、全体でも4%程度だった。だがアンケートしたところ、約7割が取得したいと回答した。
そこで勤労課が男性の育児休業について紹介動画を作成するなど周知活動を行い、対象となる社員や上司にも徐々に浸透。取得率は年々上がり、21年度11%、22年度73%、23年度85%となった。
育児休業中のサージカル&セラピービジネスユニットホームメディカルケア部HMC開発室の平野佑弥さんは「育児の実態を体験でき、取得して良かった」という。男性育児休業の取得日数は平均30日。今後は取得日数を女性の1年間に近づけるようにしていきたいとしている。
(2024/12/24 12:00)
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