[ ICT ]
(2018/7/22 13:00)
米マイクロソフトのクラウド事業を原動力とした業績好転は4-6月(第4四半期)も持続した。インターネットベースのストレージや生産性ソフト「オフィス」などの契約増加が売上高と利益を後押しした。
19日の発表資料によると、4-6月期の利益は88億7000万ドル(約1兆円)に増加。1株利益は1.14ドルと、ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均の1.08ドルを上回った。売上高は17%増の301億ドル。市場予想は292億ドルだった。18年6月通期の売上高は同社史上初めて1000億ドルを超えた。
クラウドサービス「Azure(アジュール)」は4-6月期に89%増収となった一方、ウェブベースのビジネス向け「オフィス365」は38%増収だった。モルガン・スタンレーやサンフォード・C・バーンスタインが過去1カ月に公表した調査結果では、マイクロソフトのクラウド製品の使用契約を結んだり、使用を計画したりする企業の増加が見られた。また、長年低迷していた法人用パソコン市場の相対的な改善も追い風となった。
シノバス・トラストのシニア・ポートフォリオマネジャー、ダン・モーガン氏は「アジュールは人気があり、オフィス365もそうだ」と述べ、「マイクロソフトは業績を好転させるため非常に大きく前進し、素晴らしいことを行った」と付け加えた。
マイクロソフトの株価は決算発表後の時間外取引で約1%上昇。4-6月期には8%上昇し、高値を更新しており、6月末以降も上昇基調が続いている。
同社ウェブサイトに掲載したスライドによると、商業用クラウドの売上高は53%増加し69億ドル。同事業の粗利益率は6ポイント拡大し58%。顧客増加に伴い収益性も改善している。投資家向け情報提供(IR)担当ゼネラルマネジャー、マイケル・スペンサー氏によると、100万ドル以上のクラウド契約総数は4-6月期に過去最高を記録した。同氏は詳細には触れなかったが、これらの契約の多くは2つ以上のクラウド製品が含まれているとインタビューで述べた。
アジュールやサーバー用ソフトウエアを含むインテリジェント・クラウド製品の売上高は23%増加し96億1000万ドルと、ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均の90億7000万ドルを上回った。(ブルームバーグ)
(2018/7/22 13:00)