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[ 商社・流通・サービス ]
(2018/7/30 12:30)
米メディア・娯楽会社のウォルト・ディズニーが米21世紀フォックスのエンターテインメント資産を713億ドル(約7兆9000億円)で買収する計画が、両社の株主によって27日に承認された。過去最大規模のメディア分野の事業統合が実現に向けて前進するが、中国の独占禁止当局による承認というハードルがなお残る。
ニューヨーク・マンハッタンのホテルで開かれたディズニーの臨時株主総会では、買収額が高過ぎるのではないかとの指摘も出たが、株主の約99%が買収計画に賛成した。フォックスによれば、買収手続きは来年1-6月(上期)の完了を予定。フォックスはその後ニュースチャンネルのFOXニュースやスポーツ番組に経営資源を集中する。ディズニーは「アバター」や「XーMEN」などフォックスの豊富なコンテンツを取り込む。
事業統合計画は米司法省が既に承認しているが、中国を含む他の15の独禁当局の認可がさらに必要。トランプ米大統領は5000億ドル相当の中国製品に制裁関税を課す脅しをちらつかせており、中国当局が今回の承認手続きを報復の手段として用いるのではないかと一部の投資家は懸念している。
半導体大手の米クアルコムは、オランダの同業NXPセミコンダクターズの買収で中国独禁当局の承認が得られず、計画断念を余儀なくされた。ブルームバーグ・インテリジェンスのリーガルアナリスト、ジェニファー・リー氏はフォックスの株主総会後、「中国の承認を必要とするいかなる取引も、貿易戦争の戦略的ツールやレバレッジの手段として利用される恐れがある」と指摘した。(ブルームバーグ)
(2018/7/30 12:30)