[ オピニオン ]
(2018/8/7 05:00)
「チャリ」「ケッタ」。地域によって俗称は違うが、日常の足として定着する自転車。買い物や通勤だけでなく、ロードバイクが都心部の渋滞をくぐり抜ける姿も目にする。
最近、部下の自宅アパートにシェアサイクルのステーションができたと聞いた。福岡市ではモバイクやメルカリのメルチャリ、中国発のofo(オフォ)が北九州市でサービスを展開する。
博多や天神などにある専用駐輪場に並ぶカラフルな車体。スマートフォンのアプリなどを使って、誰でも気軽に利用できる。実証段階のものもあるが、福岡市に限らず地方都市にもシェアリングの波は訪れている。
所有から共有へ。日本自動車工業会の調査によると、若年層で車の購入意欲のない割合が5割を超えた。学生時代「車を持つこと」にあこがれた世代にとっては驚かされる数字だが、レンタカーやカーシェアの利用意向は高い。
住居や衣服も共有する時代。シェアハウスに暮らす部下もいる。身近になるシェアリングエコノミーが、雇用・労働市場や個人の就労形態に与える影響も示されている。人手不足の恒常化が危惧される日本経済。資産を効率的に分け合う共有経済の概念が、企業経営を大きく変えるかもしれない。
(2018/8/7 05:00)