[ オピニオン ]
(2018/8/8 05:00)
タイ・バンコクに出張して、初めてスマートフォンを使った配車サービスを利用した。東南アジア最大手のグラブだ。6月にはあのトヨタ自動車も10億ドル(約1100億円)の出資を決めたユニコーン企業だ。
使い方は至って簡単。スマホにアプリをダウンロードして、名前などの基本情報を入力するだけ。クレジットカードの登録が心配なら、しなくても現金払いで済む。敷居の低さは新興サービスの必要条件だ。
恥ずかしながらタイ語の素養はゼロ。話せず、文字も読めない。タイの首都といえどもホテルや高級デパートを除いて英語が通じないことの方が多い。しかし、土地勘がなく、雨季に入った南国で自動車移動は安全策だ。
そこで配車サービスは救いの神ならぬ救いの仏となった。あらかじめ入力した現在地と行き先は個人またはタクシー運転手に共有され、乗車時に行き先を伝える必要すらない。交渉などが面倒な料金も事前に分かる明朗会計。
海外での配車サービスの爆発的な普及は当然の帰結だろう。これは世界の常識・日本の非常識という“日本ガラパゴス事例集”の新たな1ページになってしまうのか。世界屈指のひどいバンコクの交通渋滞にはまった車内で考えてしまった。
(2018/8/8 05:00)