[ オピニオン ]
(2018/9/12 05:00)
深夜、地震の揺れで目が覚めた。これまでに経験したことのない激しく強い揺れだ。東京都内に住んでいた時は、震度3、4は珍しくなかったが感覚的に違う。「早く止まれ」と心で念じながら、その時を待った。
9月6日3時8分、北海道の胆振東部地方で地震が発生した。北海道では初めてという震度7を観測。札幌市でも一部で震度6弱を観測したが、震度5以上は初めてだという。北海道でこれほどの地震に遭遇するとは。
さらに衝撃的だったのは道内全域が停電したことだ。震源地に近い火力発電所が地震の揺れで緊急停止。電力の使用量と発電量のバランスが崩れたことで、他の発電所も停止した。
交通機関は止まり、コンビニやスーパーの店舗は閉鎖された。開いていても食料品は売り切れ。夜に、家に戻ると真っ暗で何もできない。正味2日程度の停電生活だったが、改めて電気のありがたみを実感した。一方で夜空に輝く星の多さにも気付いた。
全道で停電はほぼ解消されたが油断はできない。電力需給が逼迫(ひっぱく)すれば計画停電の可能性もある。日々の生活や産業活動に大きな影響が出るのは必至だ。最大限、節電に努めたい。我々が“文化的な生活”を送れるベースに電気がある。
(2018/9/12 05:00)