[ オピニオン ]
(2019/1/7 05:00)
年々正月らしさが感じられなくなってきた。と感じるのは私だけだろうか。お雑煮は作っても、華やかなおせち料理は作らなくなっていることもその一因かもしれない。元旦から買い物ができる場所が増えたせいもある。
何か正月らしいものがないかと、近所のスーパーをのぞいていたら「春の七草」が売られていた。七草を使う「七草粥」は、1月7日に行われる「人日(じんじつ)の節句」の行事で、松の内の終わる同日の朝に食べる風習だ。
「人日」とは、“人の日”という意味。中国の前漢時代に、元日は鶏、2日は狗(犬)、3日は猪、4日は羊、5日は牛、6日は馬、7日は人の日としてそれぞれの占いをたて、8日に穀を占って、新年の運勢をみていたことに由来する。
さらに唐時代、「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」という7種類の若菜を入れた汁物を食べて、無病息災を願った。奈良時代に日本へ伝わると、若菜を食べて生命力をいただく「若草摘み」という風習と、7種類の穀物でおかゆを作る「七種粥」の風習と結びつき「七草粥」に変化した。
こんなことを調べているうちに、正月のごちそうはなくても、「七草粥」は食べたくなった。「災害」が多いとされる亥年に難を逃れることを願わずにはいられない。
(2019/1/7 05:00)