[ オピニオン ]
(2019/1/16 05:00)
スマートフォン決済サービス事業者による顧客争奪戦が過熱している。ソフトバンクとヤフーが出資するペイペイは2018年12月、利用料の2割が戻ってくる総額100億円還元キャンペーンを開催。LINEペイも負けじと2割還元を実施した。
当方もキャンペーンを機にペイペイに登録。子どものクリスマスプレゼントを買おうと悠長に構えていたら100億円還元はわずか10日間で終了した。キャンペーン最終日は駆け込み需要で家電量販店が混雑したという。
この一件を通じて痛感したのは、インターネットを駆使して有益な情報を効率よく入手できる“情報強者”が得する機会が着実に増えていること。家電量販店の混雑も「100億円還元まもなく終了」のうわさをツイッターで知った消費者が殺到したからだ。
一方、実家をリフォームして大量の家電を買った70歳の母は100億円還元を全く知らなかった。そもそもクレジットカードを持っておらず、スマホ決済アプリの登録方法も分からない。登録を勧めても「面倒くさい」と断られた。
ペイペイはキャンペーンで200万人弱の利用者を獲得したが、高齢者の割合はどれくらいだったのか。“情報弱者”の救済策も検討してほしい。
(2019/1/16 05:00)