[ オピニオン ]
(2019/2/13 05:00)
1970年に大阪で開催され、当時の日本の人口の約6割、6422万人が来場し大成功をおさめた「日本万国博覧会」。同万博を提案・企画した作家の堺屋太一氏が8日に亡くなった。学生時代、よく見ていた日曜朝のテレビ討論番組で経済や日本の課題などを独自視点で解説する堺屋氏に関心を持った。
より親近感が出たのは「経済のグローバル競争に立たされた日本を“バトルロイヤル”状態にある」と解説した時だ。バトルロイヤルはプロレスの試合形式で3人以上の個人が同時に戦い、本人以外はすべて敵の状況から勝者を決める。大混乱の中で誰が勝者になるのか、エンターテインメントプロレスの面白さだ。
官僚出身の知識人から出る表現とは思わなかった。後に、堺屋氏が女子プロレス好きということが分かった。足しげく試合会場にも足を運んだという。
大阪出身の堺屋氏は経済が地盤沈下する大阪の活性化にも目を向けていた。くしくも2025年の「大阪・関西万博」が決まり、これから関西は盛り上がるぞという時に。
「僕も力を貸すよ」。堺屋氏は25年万博に向け、関係者にそう語っていた。独創性や楽しさを大事にした堺屋氏に学び、25年万博への準備を進めてほしい。
(2019/2/13 05:00)