[ オピニオン ]
(2019/2/18 05:00)
ITとビジネスの融合、データサイエンスなど、産業界の基礎・基盤となる新テーマでの社会人教育が始まった。京都大学や東京大学の取り組みは、大学が企業から資金を得る新たな方策としても注目される。
京都大学はITとビジネスを掛け合わせた「情報学ビジネス実践講座」を、協力企業6社との連携で立ち上げた。学内部局も企業も複数が参加し、学生の教育と社会人の人材育成を手がける「産学共同講座」という独自制度で、第1号となる。
4月からの本格稼働で、各社は実践的なITビジネスの教材を提供する。ANAシステムズ(航空機運航システム)、NTTデータ(システム全般)、DMG森精機(モノのインターネットなどによる高度な工作機械)、東京海上日動火災保険(保険代理店システム)、NEC(人工知能やビッグデータによるサービス開発)、日本総合研究所(これらの教材化のまとめ役)という顔ぶれだ。
阿曽沼慎司京大理事は「社会のインフラを大学が作る意識だ」と説明する。この活動に各社は年500万円、計3000万円を京大に提供するという。
一方、東京大学が4月から始める社会人教育はデータサイエンスだ。主体は東大100%子会社「東京大学エクステンション」。これは研究・教育・社会貢献で世界トップレベルの「指定国立大学」でのみ認められた、研究成果を活用した社会人の人材育成や企業へのコンサルティングをする事業会社の一つだ。東京・大手町に専用教室を開設し、初年度で受講生は延べ1000人、3年後に売上高10億円を目指す。
大量のデータから意味のある情報を抽出し活用するデータサイエンスには、あらゆる業界・業種が注目する。時間をかけた基礎の大学教育も、応用に向けた企業内教育も、単独では間に合わない。同大大学院情報理工学系研究科の石川正俊研究科長は「学生と社会人の教育をともに進める“同時教育”の時代に入った」とみる。一部の分野やニーズ向けとは異なる、本格的な社会人教育が走りだした。
(2019/2/18 05:00)
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