[ オピニオン ]
(2019/7/12 05:00)
すっかり娯楽の一つとして定着した“夏フェス”。今年も26日からの3日間、新潟県湯沢町の苗場スキー場で「フジロックフェスティバル」が開かれる。緑あふれる大自然の中、ジャンルも国籍も多彩な音楽を堪能すれば、日頃の疲れも吹き飛ぶ。
昨今は夏に限らず1年を通して音楽フェスが開かれ、市場規模は拡大中。楽しみ方の多様化や、CD不況で収益源としてのライブ需要の高まりもあるのかもしれない。そんな中、各地のフェスで目立つのが「地域色」だ。
地場の食材や工芸品だけでなく、地元商店の参加も含めて地域の特色を打ち出すフェスは増えた。差別化に加え、経済活性化を担う“地域おこし”の役割も期待されていそうだ。
先のフジロックは、その好例だろう。越後湯沢駅の改札を出れば“フジロッカー”を歓迎する横断幕に迎えられ、会場では、名産の地酒や米、山菜、豚肉などを目当てに観客が集まる。会場付近の地元の民宿や飲食店の方々も好意的で、あちこちで客と交流している。
騒音や混雑などの問題を乗り越えて地域とうまく融合しているフェスは、参加していても気持ちがいい。フェスシーズンの本格到来。音楽だけでなく、地域の良さも堪能し、大いに楽しみたい。
(2019/7/12 05:00)