[ オピニオン ]
(2019/7/29 05:00)
東北地方も梅雨明けが間近となり、あと少しで夏を迎える。ごく一部の山頂に雪が残るものの、町には冬の面影はなくなった。暑くなると冷たい雪が恋しくもなるが、雪の有効利用は東北の自治体にとって大きな課題でもある。
自由な発想で克雪・利雪ができないか。雪国の山形県は、東北芸術工科大学(山形市)と手を組んで、「デザイン思考イノベーション創出事業」を今年度スタートした。県内企業のモノづくり技術も生かす考え。
雪対策について、東北芸工大企画構想学科の学生約100人が克雪・利雪に関するアイデアを練る。その提案を県内のモノづくり企業の技術で製品化や事業化に結びつけるのが狙い。県の委託事業として取り組む。
6月に開いた事業を進めるためのオリエンテーションには多くの学生が参加し、会場の講義室は熱気があふれた。県が示したアイデアのイメージ例は、雪合戦イベントで使う「雪玉の製造マシン」など。学生による独自の企画書は7月にも集まる。
優秀なアイデアは、県内企業の前で今秋にも発表が予定されている。賛同する企業が見つかれば製品化に向けた新たな連携が進む。デザイン思考からの雪対策とはどんな形になるのか。独創性に期待したい。
(2019/7/29 05:00)