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[ 自動車・輸送機 ]
(2019/7/30 05:00)
【ロンドン=時事】フランス自動車大手PSAグループのタバレス最高経営責任者(CEO)は、英国の欧州連合(EU)離脱に伴う悪影響で傘下の英ボクスホールの収益が悪化すれば、英エレスメア・ポート工場での生産を断念し、事業を欧州大陸に移管すると述べた。29日付の英紙フィナンシャル・タイムズが報じた。
エレスメア・ポート工場は中部リバプール郊外にあり、小型車を生産している。従業員は1000人以上とされ、同紙は、生産撤退となれば工場は閉鎖される可能性が高いと指摘している。
同紙によると、タバレス氏は「(ボクスホールを)エレスメア・ポートに置いておきたいが、条件が悪く、採算が取れなければ、そうできない。代替(工場)はある」と述べた。
その上で、EU離脱について「すごく簡単な話で、関税(がどうなるか)をはっきりさせてほしい。それだけだ。欧州大陸から来る部品に対する関税、英国から欧州大陸に送り出す(完成)車に対する関税を透明にする必要がある」と注文を付けた。
一方、ボクスホールの小型トラックを手掛けるロンドン北部のルートン工場に関しては、EU離脱後も存続させる意向とみられる。
ジョンソン首相は合意の有無にかかわらず、10月末の期限までにEUから離脱する方針。「合意なし」の場合、英・EU間の貿易に関税が復活するほか、工業製品の安全基準などでも英国はEUから「域外国」扱いを受けることになりそうだ。
このため、英・EUをまたいだサプライチェーンによってジャストインタイムの生産体制を構築している英国内の自動車メーカーにとっては、EU離脱が大きなマイナスになるとみられている。
(2019/7/30 05:00)